【GCP】【OCI】Computeサービスの比較
ここでは、GCPとOCIのComputeサービスについて比較を行ってみます。
Computeサービスとは
ここでいうComputeというのは、IaaSで提供するVM(仮想マシン)を指します。CPU/メモリやOSを選択し、OS以上をユーザの管理対象としています。これは、GCPもOCIも変わりありません。
2つのサービスの比較
名称について
GCPでは、IaaSのサービスをComputeEngineと名付けています。OCIではComputeと名付けれられています。サービスの形態はほぼ同じなのですが仕様やサービス内容は異なる部分があります。それを確認していきます。
提供イメージ
GCPの提供イメージ一覧は下記から確認できます。
cloud.google.com
CentOS、Google のコンテナ用に最適化された OS、Debian、RHEL、SLES、Ubuntu、WindowsServerが提供されています。
一方、OCIの提供イメージは下記から確認できます。
docs.oracle.com
REHL、CentOS、Ubuntu、WindowsServerが提供されています。
これをみると、GCPの方が種類が多いです。ただ、実際に業務で使用しているOSはある程度種類が限られていると思うので、RHEL・CentOS・Ubuntu・WindowsServerがあったらそこまで変わらないんじゃないかなとも思います。ただ、GCPでは"コンテナ技術に最適化されたOS"があるため、コンテナを使用するとなるとGCP一択な気がします。GCPではGKE(Google Kubernetes Engine)も提供しており、コンテナ構成が当たり前になった今日、GCPは強いんじゃないかなと思います(KubernetesのコミッターはGoogleのエンジニアがメインであることもか考えると)
ただ、今確認しましたが、OCIでもコンテナサービスは提供されているようです(前に見たときはまだ使用できなかった気がする)。まだ使用したことはないのですが、どっかで使ってみようかなと思います。
cloud.oracle.com
リソース拡張
次は、リソースの拡張についてです。GCPでは、CPUとメモリの組み合わせをマシンタイプと呼びます。同様のものをOCIではシェイプと呼びます。
cloud.google.com
GCPでは既に作成したVMインスタンスのマシンタイプを変更することできます。停止が必要ですが、変更することができるというところが大事です。OCIではVMインスタンスはディスクサイズの変更は可能ですが、CPU/メモリのサイズは変更できません。つまり、より大きいサイズで作成し直しが必要になります。ただ、ExadataやBareMetalと呼ばれるタイプのサービスであればCPUの拡張が可能です。
インスタンスタイプ
OCIでは、VM以外にBaraMetal環境を提供しています。リソースが十分に大きく、VMよりも金額が高くなります。それでも性能が必要となる場合はVMよりもBareMetalを選択すると良いです。
ちなみに、BareMetalというのは下記のようにハイパーバイザを使用せずサーバをそのまま使用することができます。そのため、VMよりも性能がよくリソースも多いです。
OCIではOracleの機能を簡単に使用することができるのが特徴なのですが、DataGuardなどは現在ではBareMetalでしか使用できなかったりと制約も多くあり、BareMetalを使わざるを得ない状況もあります。(これはVMでも提供される予定と言ってたきがする)
各クラウドの独特なサービス
ライブマイグレーション(GCP)
GCPではライブマイグレーションができます。同じゾーンの別ホストに起動したまま移動することができます。つまり、メンテナンスが発生したとしても停止せず、業務影響なく対応することができます。これは、通知は来るようですがGCPが裏でいい感じに実行してくれるっぽいです。(機会があったらもう少し詳しく調べてみる)
cloud.google.com
Database(OCI)
これは、Oracleだからこそかもしれないですが、OracleDatabaseを使用した環境を簡単に作成することができます。Database名、バージョンやRACかどうかを選択するだけで自動でDB環境を構築してくれます。他にも自動パッチ適用やDataGuardの構築などOracleが提供するDatabaseの機能をボタン一つで使うことができます。
とくに特徴的かなと思うのは、これがPaaSのサービスではなくIaaSのサービスであることです。つまり、Oracleの標準設計に加え、自分の環境の設定値を入れることができます。どんな設定値を入れてもサポート対象になると伺った記憶があります。
現在エンタープライズ環境においてOracleDatabaseを使用している方々は、自分の環境の設計を反映しつつ、構築や管理を楽にできるというメリットがあります。