【読書】ついやってしまう体験の作り方を読んで
ついやってしまう体験の作り方を読んで、面白かったポイントやためになったポイントをまとめました。
「ついやってしまう」体験のつくりかた 人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ
- 作者: 玉樹真一郎
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2019/08/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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どんな本
ついやってしまう体験の作り方。この”ついやってしまう”というのはネガティブな意味ではなく、ついついやりたくなってしまうという意味で使われている。
主に、体験のデザインを3つのテーマに分けて説明している。
- 直感のデザイン
- 驚きのデザイン
- 物語のデザイン
各デザインの説明
直感のデザイン
直感のデザインとは、ユーザがみずから直感的に行動・学習することを助けるような”ついやってしまう体験”をデザインする手法。
本の中ではマリオを題材に説明していたが、シンプルが故に”これはこうするのかもしれない”という仮説とそれを実行して正解だったときの歓喜。これをこまめに繰り返すことで”気持ちよさ”を蓄積する。この仮説はわかりやすいことが大事なので、ゲームにおける”正しさ・良さ”よりも”わかりやすい体験”を優先すべき。人は直感する体験そのものが面白いから遊ぶ。
つまり、”正しさ・良さ→体験”の順番ではなく”体験→正しさ・良さ”の順番である。
ただ、人は慣れてしまうので、このデザインだけでは飽きてしまう。そこで取り入れるのが次のデザイン。
驚きのデザイン
これは、人がつい夢中になってしまうようなデザインの手法。”こうなるはずだ”というぜんていへの思い込みを利用してユーザの予想を覆す。直感のデザインと合わせることで飽きない体験を提供する。コンテンツは基本的に直感と驚きの組み合わせでできている。
驚きのデザイン
- 前提への思い込み → このゲームはこういうもののはずだ(前提)
- 日常への思い込み → こういう表現はされないはずだ(代表的なところでいうと性的な表現)
この2つを”裏切る”ようなデザイン。次はゲームをする意義を見出すデザイン。
物語のデザイン
ゲームの意義とはなにか。ゲームをするという体験を通じて人を成長させること。 ゲームでは能動的なシーンと受動的なシーンがある。能動的であるのは戦闘したり自分で操作しているシーン。受動的なのはムービーシーン。能動的であるほどプレイヤーが得る情報量は少ない。
例として、個々のシーンを短くして、それぞれのシーンで理解しなければならないことを最小限にする。シーン毎の情報量を減らすことで物語は理解しやすくなり。先の展開を予想しやすくなりやがてテンポが生まれる
この能動・受動を繰り返すことで波をつくる。これをテンポとコントラストという。このテンポとコントラストで大事なのは、体験の順番に関する戦略であること。つまり、大事なのは大変の順番。
物語のデザインにおいて登場するモチーフ
収集と反復のモチーフ : 穴と全体像→収集と反復→成長
これは、例えば最初と最後を見せて、全体像と穴を示す。そしてその穴を埋めるように収集→埋めるという行動を反復することで成長を促す。選択と裁量のモチーフ(※難易度調整の機能を持っている) : リスクとリターン→選択と裁量→成長
これは、人に選択をさせることで失敗したことや成功したことを自分ごととして捉えさせる。そうすることで体験の主語を自身にした実感を得られるようになる手法。たとえば、病気に感染した人がいて、ゾンビになる前に殺すor殺さないとうい選択を迫られたときにどちらかをプレイヤーに選ばせる。そしてその結果はプレイヤーが自身が選択したため結果に対して責任を持たせることができる。翻意と共感のモチーフ
まず、人はゲームの主人公に共感するために下記の条件が必要である。
1. プレイヤーが主人公に対して興味を持っている
2. プレイヤーが主人公も自分と同じ思いを持っているに違いないと信じられていること
3.憎しみ以外の感情で共感すること
そして、次が非常に大事なポイントだと思う。それは。"客観と主観を入れ替える"こと。たとえば、主人公を痛めつけたとしても感情は下記のような方向性を持つ。
プレイヤー 主人公つらそう・・・(客観的)
主人公 つらい・・・(主観的)
これでは気持ちの向きがまるで逆なので、この方向性を合わせる必要がある。
物語のモチーフでは成長が必要だと書かれている。ここでは共感を通した成長について考えてみる。それは”憎しみの克服”を指す。憎い相手を好きになれそうなエピソードを入れて、その相手を死の絶望の瀬戸際まで追い込む
そうすると、、、、
→あ、相手・・・!となることで憎しみ以外で共感することができる
個人的には、それ以外の方法もあると思う。この辺りはまだ言語化できていないので、今までやってきたいろんな作品をベースに分析していきたいと思う
そして、最後に終わりは成長を実感するために最初に戻る。神話でも基本最初の状態に戻るらしい。(神話学というのがあるとのこと)
最初の状態にもどることで自分の成長を実感させる。
人の記憶
ひとは、まず体験(エピソード)があってから情報を記憶する。記憶をするときは、エピソードを作って心を大きく揺さぶる必要がある。
体験→感情→記憶